病床六尺...正岡子規4月21日

病床六尺...正岡子規4月21日
「くれなゐの二尺伸びたる薔薇の芽の針やはらかに春雨のふる」

明治33年4月21日、正岡子規の句です。

病床六尺…脊髄カリエスにおかされ、苦痛の中、寝たきりで過ごした病の床からわずかばかりに見える庭先の世界、薔薇の針にあたる春雨はやわらかに涙したのかもしれません。

 「やわらかに」の言葉は苦悶の中「絶叫。号泣。益々絶叫する。益々号泣する。」と叫んだ子規の句の世界の真髄のように思えます。

約百年前、わずか病床六尺の世界、紙障子がガラス戸にかわった時、子規は歓喜したそうです。
「見えるも、見えるも、庭の松の木も見える、杉垣も見える、物干し竿に足袋のぶら下げてあるのも見える…」

今、私達は限りなく多くの世界を見ていると…思い込んでいるのですが、パソコンのディスプレイはガラス戸にも匹敵しないのです。 一人としての人の言葉は、その存在が関わったとき初めて深いものを伝えてくれるように思います。

4月21日に添えて


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